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zoom RSS 「 ニモ 」

<<   作成日時 : 2016/01/04 14:49   >>

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   私の絵画館【この一作】画家の作品と随筆

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                                     小 島 け い
             
  「ニモ」

 この子猫の名前は<ニモ>です。

 昨年の12月。
知り合いのお家でかわいい子猫を保護して飼っておられると聞き、
カメラを持って会いに行きました。

 2ヶ月足らずの子猫は天性のすばしこさで動きまわり、
連写でもうまくとれないほど。
そしてさんざん走りまわって疲れるとアッという間に寝入ってしまいました。
もちろんこの頃の子犬もかわいいのですが、
子猫もまたどうしようもなく愛らしいのです。
この可愛さに押されるように、2015年私は3枚のニモを描きました。
そのなかで最初に描いたのがこの絵でした。


 7年前の春に家でも5匹の子猫が生まれましたが。
母親のアリスが<のら>から<家猫>になって間がなく、
また他の猫より10倍くらい神経質でしたので、
私たちへの警戒心は相当なものでした。
そこでアリスを刺激しないように
極力子猫たちをケージからつれ出さないようにしていました。

 結局、一番かわいい盛りの子猫たちを存分に味わう余裕もあまりなく、
私は突然総勢7匹となった猫たちの世話にあけくれ、
疲れ果てている毎日でした。

 今から思うと、
きっと一生に一度の機会だったのだからもっと子猫たちにも触れ、
写真ももっともっとたくさん撮ればよかったと思うのですが、
その時の私たちはアリスの気持ちを一番に考えるという選択をしたのでした。

 5匹のうち美人で元気な3匹は、優しい里親さんたちと出会い、
気の弱い黒猫の男の子<ジョバンニ>と
体が弱い三毛の女の子<ぴのこ>がお母さんのもとにいます。
ただ小さい頃に人間と接する機会が少なく、
自分の名前を覚えなくても
お母さんのもとで何ら不自由なくすごせたからでしょうか、
ジョバンニは7歳の今も自分の名前を覚えていません。

 胃腸の弱いぴのこも魚アレルギーになってしまったジョバンニも、
きっと<のら>では生きていけないと思うので、
何か災害がおこった時はこの家で生死をともにするしかないだろうと
時折思ったりしています。

 のら猫として出会ったあの子もあの子たちも
みんな助けてあげたかったけれど、私たちがかろうじて助けられたのは、
渋谷で娘が保護して13歳となったノアと
私たちがキャンパスで出会ったアリスと5匹の子猫たちだけでした。

 人が出来ることなんていつもほんの少しのことですが。
だからこそ、
せめてこの子たちは最後まで守ってあげなければと思うこの頃です。

 


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